末っ子、姉になる
末っ子だった次女は、おねえちゃんになりました。
破水して病院に行く時、一緒に住んでいる私の妹に寝ている子どもたちをお願いして
おとうちゃんと家を出ました。
時々、激しい夜泣きをする次女。
その夜も目を覚ましてしまって、妹は泣いて暴れる次女を抱っこしたまま一緒に寝てくれました。
朝起きたら、やっぱりおとうちゃんもおかあさんもいない。
それに、おにいちゃんもいない。
何が起こったのかよくわからないまま、
妹と駆けつけてくれたおばあちゃんに連れられて病院に来た次女。
私の隣にいる小さな小さな赤ん坊と対面した彼女は、今まで見せたことのない顔をしていました。
険しいような悲しげなような難しい表情で赤ん坊をじっと見つめたまま動かない。
私が「どうした?」とほっぺを撫でても
おとうちゃんが「抱っこしたろ」と手を差し出しても無反応。
そのまま数分間、次女は指1本動かさずにじっと赤ん坊を見ていました。
そして、ふっとこっちを見た。
まだ立ち上がることのできない私のおなかに乗ろうとして
おばあちゃんたちに慌てて止められ、そのまま崩れるようにわんわん泣きました。
まだ1歳と8ヶ月。
甘えん坊で泣き虫でわがままで、すぐ抱っこしてほしがる次女。
おねえちゃんもはなぺちゃくんも押しのけて私のひざの上を独占したがるし、
ベッドに行くだけでも手をつなぎたがって、トイレにもついてくる次女。
長女はもっと小さい時におねえちゃんになったけど、
典型的な末っ子気質の次女の方がずっと心配でした。
もうおかあさんをひとりじめできるのは自分ではないという事実を
小さいなりに一生懸命受け止めているのだと思うとたまらなくて、
「どうしたんー」と笑いながらも、涙が出そうになりました。
病室に移動してからも、彼女は私にも赤ん坊にも近づこうとせず、
黙って部屋の隅に座り込んだまま、おばあちゃんに支えられて眠ってしまいました。
眠りから覚めて、やっと私のいるベッドによじのぼってきた次女。
「いもうとやで。おねえちゃんになったんやで」と赤ん坊を見せると
そっけなく「んー」と言い、その後はまたおばあちゃんや妹に甘えていました。
その後、次女は見事におとうちゃんっ子になりました。
おとうちゃんが部屋からいなくなっただけで泣くし、
何かあると「おとうたーー」とすぐおとうちゃんに抱きつきます。
ちょっぴりさみしくないこともないけれど、子どもって賢いなぁ偉いなぁと思います。
退院後は、赤ん坊のことも頭を撫でたり「はうたーー」と名前を呼んだり、かわいがってくれるように。
私が「うんちした!」と言うと、おむつとおしりふきを渡してくれます。
そして生後2週間が経った頃、赤ん坊が泣いているのを見て
次女が自分のTシャツをぺろんとめくっておっぱいを差し出しました。
もちろん赤ん坊は無反応。
すると、「おぱいたー」と言いながら今度は私のTシャツをめくろうとします。
もうすっかりおねえちゃん。
おもしろいやつ、かわいいやつです。
おにいちゃんは相変わらず「だっこしたい」「こっちつれてきて〜」と赤ん坊にメロメロ。
長女は「かわいいなぁ」「ちったいなぁ」となんだか誇らしげです。
やっぱり新生児はびっくりする程小さくて軽くて、
でもこれをもう1回おなかに入れろと言われてももう無理やなぁと思うくらいには
しっかりしていて、とにかくかわいい。
抱っこした時の頼りなさや、器用におっぱいを吸う小さな口や、お豆より小さい足の指。
あっという間に大きくなってしまうのを知っているから、毎日がとても大切に思えます。
さぁ、4人の子育ての始まり。
今はまだ産褥期でおばあちゃんたちに甘えてゆっくりさせてもらっているけど、
多分、けっこうたいへんな日々が待っているのだと思います。
どうなることやら!
2015年6月18日(木) おかあさん
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