親権がありません
入籍してしばらく経った頃のこと。
新婚旅行のため、むすこのパスポートを取りに行きました。
こういう手続きが苦手な私は
何度も書類を確認して、いざ旅券事務所へ。
未成年者の申請には親の同意が必要なので、
戸籍抄本や保険証と一緒に、規定の同意書を書いて持って行きました。
道中で、むすこははじめての証明写真を撮影。
目は上を向いているし口はあんぐり開いているし
なんとも間抜けな表情でプリントされてしまいました。
注意事項に「正面」「口を閉じる」とあるけど、
まだ3歳やし許してもらえるやろう…
なんてこの時は考えていたけれど、
全然違うところに落とし穴があったのです。
「これくらいなら、いいですよ」
と笑顔で写真を受け取ってくれた
事務所のお姉さんが、戸籍抄本を見て難しい顔をしている。
「お母様には親権がありません…。
同意書はお父様が書いていただけますか?」
おとうちゃんと結婚したのだから
当然むすこの親にもなっていると思っていたが、
法律上はそうはいかないらしい。
せっかく張り切ってバスで出かけたのに、
同意書をもう一枚もらって出直すことに。
むすこと「がびーんやな」と言いながら家に帰りました。
私が親権を得るには、
むすこを私の養子にしなくてはいけませんでした。
養子にも二種類あって、
家庭裁判所に行って「特別養子縁組」の手続きを踏むと、
おかあちゃんとむすことの戸籍上の親子関係は抹消され、
さも私が産んだかのように書き換えられるそうです。
うちは普通の養子でいいので、
区役所に紙を1枚提出して手続き終了。
最初から同意書をおとうちゃんが書いていたら、
もしかしたら親権がないことに一生気づかなかったかもしれない。
同じ状況になった方はご注意ください。
というわけで、むすこは私の養子になりました。
「養子」という言葉が持つイメージと
自分たちの生活が全然結びつかなくて、ちょっとおもしろいです。
無事に新婚旅行にも行くことができ、
むすこは広い海やきれいなホテルに大はしゃぎでした。
2013年10月19日(土) おかあさん
- ツイート