スパルタ保育所
結婚式の前日、私たちは引っ越しをしました。
おとうちゃんの実家まで10分、保育所へも徒歩1分という
便利なマンションを離れ、
おとうちゃんの職場の近くに住むことにしました。
引っ越すまでは事ある毎に実家を頼っていた私たち。
毎日おばあちゃんに夜ご飯を作ってもらい、
毎週のようにむすこを預かってもらっていました。
ここからは、本格的に親子3人での生活が始まります。
そしてむすこが通うことになった新しい保育所は
なかなか変わっているというか、かなりスパルタというか……
とんでもない保育所でした。
園庭には大きな土の山があり、
子供たちは年中半袖半ズボンで外を走り回っています。
冬でも冷たい水のシャワーを浴び、廊下の雑巾がけをします。
給食は国産の食材を使用した無添加・薄味の和食。
そして、驚くような決まりがたくさんあります。
9時就寝・6時半起床。
男女関係なく髪は耳よりも短く。
紙オムツ禁止。(保育所では乳児も綿のパンツで生活しています。)
テレビ禁止、キャラクターグッズ禁止、
習い事禁止、読み書きの勉強も禁止、などなど……
「私たちは本気で子供たちを育てている。
おかあさんたちも本気でやってください。」
という考えのもと、
親の私たちも先生から色々な面で指摘をうけます。
多くの保育所では
先生たちは親との揉め事を避けようとするものだと思いますが、
ここの保育士さんたちは真っ向からぶつかってきます。
私たち夫婦は、いいと思うことは生活にとりいれ
そうでないことは無理に従わないと割り切っていますが、
中には先生と激しい口論になったり、
途中で退所する家族もいるそうです。
モンスターペアレントなんて言葉が普通に使われるこの時代に、
徹底して自分たちの方針を貫くのは、すごいことだと思います。
厳しい保育所なので子供たちもたいへんそうですが、
その分、素晴らしい経験をたくさんさせてもらっています。
木材を組んでベンチや小屋を作ったり、
カボチャやトマトを育てて収穫したり、
深いプールで潜ったり飛び込んだり。
年長さんになると合宿があります。
自分たちで山に入って薪を集め、
石を積んで火をおこし、ご飯を炊くそうです。
そんな環境で育っているので、子供たちはとにかく元気いっぱい。
みんな筋肉がしっかりついたいい身体をしているし、
畑仕事をしているのでミミズも平気で触ります。
洗濯物は大量かつ泥まみれやし
お弁当の日は先生に味見されてあれこれ言われるし
親が駆り出される行事も多いし
たいへんなことを挙げるときりがないのですが、
私たちが「いいなぁ」と思っていても実際にさせてやるのは難しいことを
どんどん体験させてくれるので、ありがたいです。
実は私たちは、役所に希望を出す際に
この保育所はやめておこうと決めていました。
噂を聞いて、あまりにもたいへんそうだと思ったからです。
でも、中途半端な時期に引っ越しを決めたこともあって
他に入れるところがありませんでした。
見学に行ってから入所を決断するまでに
夫婦で3日間話し合い、何度も口論になりました。
子供を通わせるには相当の覚悟が必要でした。
そんな私たちも、今ではこの保育所に出会えてよかったと思っています。
全く希望していなかったのに
この保育所に入ることになったのも
むすこの、そして我が家の運命だったのでしょう。
この4月からは末っ子も入所し、兄妹3人で通うことになります。
むすこはついに年長さん。
ますますハードな保育所生活になるので、
みんなで気合いを入れて頑張りたいと思います。
2014年3月24日(月) おかあさん
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