ややこしい決断
大学病院で受診することになったおかあちゃん。
まさか自分達にそんな事が起きるわけが無いと思いながらも
不安な気持ちいっぱいで大学病院に行きました。
6月なのに待合室がとても暑かったのをよく覚えています。
あまりクーラーが効いていなくて人がとてもたくさんいて
かなりの時間待たされました。
診察室に入ると先生と看護師さんそれに研修医たちがたくさん。
先生が中央病院からの紹介状を見ながら
よくわからないことをかなり高圧的に矢継ぎ早に言いました。
「全身にがん細胞が転移している可能性が高い状態です。」
「あなたは治療もできて子供が産めてラッキーだよ。」
「もしあなたがボクの奥さんなら迷わず抗がん剤治療をさせます。胎児にはほとんど影響無い。」
「私は乳癌のカテーテル手術の第一人者だから出産と同時に手術をする。」
ガンという病気にまだ向き合えていないボクたちは、この人にどう頼っていいのかわからなくなりました。
でもこの病院で診てもらえなかったら。
先生:
「組織診といってもっと大きく細胞を採取して検査します。」
おとうちゃん:
「えっ、ついこの前細胞診をしたところなんですけど、、、」
先生曰く、細胞診はガン細胞を「ちらす」ことがあるらしく
あまり良くない検査。この病院で治療するためには組織診は必須。
うまく状況を飲み込めないまま、、、
まだ細胞診の傷の痛みが残るおかあちゃんは、
更に太い針をからだに刺す組織診という検査をしました。
診察室を出たボクたちは泣きました。
悔しいやら悲しいやらで涙が出ました。
2人でたくさん話してこの先生に頼ることを止めました。
先生の言った事は正しかったのかもしれない。
でもボクたちはこの先生の事を信用できませんでした。
出産は大学病院でお願いすることにしました。
NICU(新生児特定集中治療室)がある病院は少なかったし妊娠9ヶ月に入って胎児の体重が
基準に達せばすぐにでもという状況だったので特に迷いはありませんでした。
もちろん大学病院の産婦人科の人達がとても信頼できると思えた事が最大の理由です。
懸案のガン治療は大学病院では無く小さな乳腺クリニックで行うことにしました。
本当ならどちらも大学病院でお願いした方がいいに決まってるのに
ボクたちは少しややこしい決断をすることになりました。
※ 先生にいろいろ言われた2008年6月23日(月)は日記が書かれていませんでした。
2012年10月10日(水) ハイブリッドとうちゃん
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