つながる

2013年3月11日
*by: | *cat: 別れのあと

額装した「つながる」の絵

ボクと看護師のスミさんを含めた関係者の方々と
何人かの身内で最期のお別れをしました。

むすこはその瞬間には立ち会えなかったけど
おじいちゃん・おばあちゃん達と少し後でバイバイを。

おかあちゃんはやっと病院から、住み慣れた自宅に帰ることができました。

大好きな音楽をいっぱいかけて、おかあちゃんの大好きなビールを枕元に。
家で呑むことが全く無かったボクも一緒に呑みました。

お通夜までの時間は慌ただしく過ぎていきました。

2歳のむすこを残して亡くなった母親の葬儀。
無邪気で元気なむすこのおかげで少しは悲壮感が和らいでいたと思います。

そして、ボクは人生初の喪主という大役に奔走しながら、葬儀場を走り回るむすこを見て
「あぁ。これからむすこと2人の人生が始まるんだな」と妙に冷静に思ったのを覚えています。

お通夜の日。

ある1枚の絵が友達のゆかちゃんからボクに手渡されました。
「つながる」と描かれた可愛いポップなアクリル画。

この絵はおかあちゃんが生前に友達のために絵を描き始めたとき
一番最初に描いたもの。

おかあちゃんの一番の友達であるゆかちゃんの手に渡ります。
可愛い絵で気に入っているけど、ゆかが欲しいって言ってくれるからと快く。

ゆかちゃんから渡されるまで、ボクはその絵の存在を忘れかけていました。

入院前のあるときボクはその描きかけの絵を見ながら、
「なんで”つながる”なん?英語のメッセージとか、せめて”つながり”の方がいいんじゃない?」
と深い意味もなく問いかけました。

「いいねん。”つながる”やねん。」
とだけ答えたおかあちゃん。

つながる。

この絵はお通夜からお葬式が終わるまで、弔問の方から見える場所に飾りました。

お通夜とお葬式にはたくさんの人が来てくださいました。
おかあちゃんの死によって彼女の旧友が集いました。本当にたくさん集まりました。

おかあちゃんの友達のまさくにさんがブログで書いていました。
つながるのはおかあちゃんと誰かじゃなかった。

そして。

おとうちゃんとむすこがみんなとつながるんやで。っていう意味だった。

ボクとむすこはおかあちゃんの闘病で色んな人達とつながりました。
「つながる」のメッセージの意味を今改めて噛み締めています。

2013年3月11日(月) ハイブリッドとうちゃん

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